総合臨床教育研修センター

医学部附属病院 総合臨床教育研修センターとの連携

本講座は、総合臨床教育研修センターと連携してその活動を相互的に推進しております。本センターは、医学部・附属病院各分野、県内医療機関、国内外の関連教育機関、あきた医師支援センター、大学院医学教育学講座、医学部総合地域医療推進学講座との密接な連携を推進し、これからの理想的な医師・医療者育成のニーズに対応した教育・研修ネットワークを展開する目的で2014年に開設されました。附属病院の全診療科と看護部、薬剤部をはじめとする各部門および医学科・保健学科の委員から構成され、卒前・卒後教育、卒後臨床研修・専門医研修、多職種連携教育(IPE: inter professional education)、生涯教育、入学前教育、教育・研修のグローバル化、ワークライフバランス支援等を積極的に推進する役割を担っていきます。特に中心となるシミュレーション教育センターでは、ハワイ大のシミュレーションセンターや国内外の機関と連携して教育・研修の充実を図っております。このシミュレーション教育センターの活用中心に、最前線(地域包括ケア:医師・医療者として必須の総合的な診療能力修得)から最先端(各科高度専門医療)のあらゆる領域において、卒前教育から卒後研修・生涯教育にわたってシームレスに人間力・チーム力ある優れた医師・医療者を育成することにより教育を連鎖させ、将来に向かって教育・研修レベル向上および医療の充実を推進していきます。

グローバル化推進の取り組み

国際化に向けて総合臨床教育研修センターにインターナショナル部門を設置しました。当部門では、大学と県内医療機関と世界を直結することにより、県内一体化した卒前および卒後教育・研修体制を充実する各種取り組みを、あきた医師総合支援センターと連携して総合的に進めております。これにより、学内および県内医療機関にリーダーシップある多くの理想的な人材が育成され、医療充実に結び付くことが期待されます。 以下にグローバル教育研修に関する活動を紹介します。

1. ハワイ大学SimTikiシミュレーションセンターと直結してシミュレーション教育および医療英語教育を推進

2013年から、本学においてハワイ大学SimTikiシミュレーションセンターと連携した大学内および県内医師・医療従事者対象のシミュレーション教育研修を開始し、2015年には、指導医・研修医・看護師のハワイ研修派遣を実施しました。また、両者間にインターネット回線による遠隔操作・シミュレーショントレーニングが可能なシステムを整備し、学内および県内医療機関における指導者の育成をすすめております。今後、このシステムを利用した医師・医療者の医療英語研修も実施していきます。

2. 医学科1年次必修のネーティブ英語模擬患者による英語医療面接OSCEを実施(年2回)

2011年から、医学科1年の7月と12月に、英語の模擬患者による胸痛・腹痛鑑別診断のための医療面接英語OSCEを開始し、2015年まで段階的に充実してきております。これにより、医学科入学直後からの医療英語教育の充実と、医学生としてのプロフェッシナリズム醸成を目指しております。

3. フランス・イタリア留学中の医学科3年生と1年次講義をインターネットで直結

フランスのリール大学、イタリアのカリアリ大学に留学中の医学科3年生と1年生の初年次ゼミの講義室をインターネットでつないで、国際的な医学教育・研究や医療の違い、留学の魅力について、直接留学中の本学医学生および留学先の医学生と情報共有する講義を実施しております。これにより入学直後からのモチベーションアップ、国際化意識の向上を推進しております。

4. 教養教育の科目(医学と健康)にて、世界各国への留学に備えたトラベルメディスンを充実

留学を考えている各学部学生が留学先の疾患や健康・医療上の注意点を理解するために、海外における感染症を中心に、その知識や現地での注意点を実践的に理解する教養教育の講義を企画しております。

5. 看護師対象の医療英会話セミナーの開催

2015年度より、ネーティブ英語の模擬患者さんの協力を得て、看護師対象の医療英会話実践セミナがー始まりました。今後、医療従事者の医療英会話力の育成は必須事項であり、ITを活用したさらなる企画を進めていく予定です。

6. 米国Annual International Women in Surgery Career Symposium参加をサポート

医療充実の要であるリーダーシップある女性医師を育成するために、2015年より、外科系女性医師・研修医対象に、米国Annual International Women in Surgery Career Symposiumへの参加をサポートしております。米国女性外科医のキャリアパスやワークライフバランスに関する取り組みと将来重要となるコミュニケーション、メンタリング、リーダーシップなどのノンテクニカルスキルの学びと共に、国内外からの参加者との交流により、更なる女性医師のキャリアアップ体制の充実を図っております。

7. 東南アジア諸国との連携(フィリピン、タイ)

タイ王国マヒドン大学シリラート病院と本学附属病院の間で「腫瘍マーカー測定現状の相互理解」と題したテレカンファレンスをテレビ会議システムを利用して開催(2014年)しております。2015年度には、本部門委員が、卒前・卒後の医療教育と患者安全についての当センターの取り組みを、フィリピン大学マニラ校主催国際会議で講演しております。これをきっかけに、遠隔医療教育ネットワークをさらに充実し、東南アジア諸国との交流を推進していきます。