長谷川先生が第128回日本解剖学会総会・全国学術集会のシンポジウムで講演しました。

第128回日本解剖学会総会・全国学術集会 
https://www.procomu.jp/anat2023/

シンポジウム4 解剖学教育の様々な問題に向き合う(教育委員会)で、講演しました。

演題名:  カリキュラムオーバーロード時代に新モデルコアカリキュラム(令和4年度版)の主要コンピテンス修得の鍵となる解剖学学修の重要性を考える

 〇長谷川 仁志1、板東 良雄2、八月朔日 泰和3
1 秋田大・院医・医学教育学、2 秋田大・院医・形態解析学・器官構造学、3秋田大・院医・細胞生物学
各専門分野の医学・医療情報が増大し続ける時代の卒前医学教育には、一歩先を見越した改革により、卒業生全員に医師免許の質を保証する責務がある。
近年、分野別認証評価やスチューデントドクターの法制化等が原動力となって、専門分野に偏りがちで不連続であった日本の各大学における医学教育改革が進んできている。

具体的には、学生のみならず教員へのカリキュラムオーバーロードを軽減するために、基礎・社会・臨床医学・医療行動科学の各分野が、症候・症例・事例ベースに水平・垂直統合することにより、集大成としての診療参加型臨床実習のレベルを向上し、卒業時の各コンピテンス(知識・技術・態度を包括する総合的な能力)を全員に修得させることが強調される。

20年後の理想的な医師像を目指して改定された新しいモデルコアカリキュラム(令和4年度版)案でも、主要なコンピテンスは解剖学講義・実習の学びにほぼ含まれており、まさに解剖学は入学後早期からの統合教育の本幹として再認識される。
当日は、入学直後から胸痛・腹痛の臨床推論学修における臨床ポイントを2年次の解剖学実習を意識して学び、1年次医療面接・心エコー・腹部エコーOSCEで実践評価がはじまる本学のコンピテンス基盤型6年間一貫統合教育について、鍵となるデジタル教育を講義・演習・実習・評価に効果的に活用する方向性も含めて述べ、今後について考えてみたい。

第128回日本解剖学会総会・全国学術集会講演抄録